So-net無料ブログ作成
検索選択

A380をキャンセルするとは、スカイマークはどうなっているのか? [航空]

極めて久しぶりに更新します。
最近は個人的に長崎空港の延べ利用者数増大に貢献しているような。

閑話休題
スカイマークのA380騒動の議論にいくつか足りない点があると思う。LCCとの対抗だのといった話は現在の国内線事業の話で、新規事業のニューヨーク線が事業として成り立つかどうかと関係ない。
まあ57億円だったかの大幅赤字はかなり苦しい状況だとは思う。成田発着便の全廃が話題になっているが、ローカル線問題の話が出ているけど、まだ不採算であると推測されるのは石垣宮古関係と米子くらいだろう。

現金流出の原因はグリーンシートで超ゆったり配置のA330ではないか。シートコストは737ー800より20%くらい高いらしい。まあ737で同レベルの座席配置にした場合と比較すべきであって、A330の罪ではないが。
JALのクラスJの二匹目のドジョウを狙って、その快適性を売り物に客単価向上を狙ったのだろう。しかし一部のニッチなファン(どれだけ全国的に実在するのか???)を除いて、スカイマークと言えば、就航時の767の8列詰め込みシートだ。グリーンシート自体は客観的には広いが、広いことが絵にならないタイプの座席だ。JALがシェルフラットシートを一〇年前に登場させた時に、ヤンキースの松井(野球選手は巨体だ)を座席に座らせた写真を宣伝に使って、「うわ、狭い」という印象を持ったことを思い出す。
そもそも類例のない座席だ。何だかA320シリーズの様々なバージョンで、今はあまりない2-3配置の欧州内ビジネスクラスの席の型落ち品を再生産して、フランス流のぼわっとした昔風の厚みのあるモケット張り座席に仕立てたとしか思えない。あるいはA310シリーズ時代の一時代前の110cmピッチくらいのビジネスクラス座席の変形だろうか。
羽田~福岡線でA330就航便だけ満席になっていたり、高値で販売されている事実は存在しない。むしろ737から増えた座席を何とか売り切るために安売りしている印象がある。
詰め込み767の方が輸送力が多かったが、あの時代には福岡発のスターフライヤーも成田福岡のLCCもなかった。安さ第一の客はそっちに流出してしまった。

どうも追加支払いの8億円がエアバスに払えなかったのが縁の切れ目だったようだが、新規事業に将来性があれば、それくらいの金融はどうにかなるはず。
ビジネスクラス、プレミアムエコノミーだけの成田ニューヨーク線が昨今の情勢では成立しないからだろう。何しろANAが777300ERでダブルデイリー、JALもダブルデイリー、東部だと、今はJALのボストン線はあるし、シカゴにもANAがダブルデイリーだ。
恐らく日系の史上最大の東海岸体制であり、追加でスカイマークが入る余地はないだろう。日本人のビジネス需要は飽和している。アジア路線もないから、ANAのような乗り継ぎ需要も望めない。
しかもニューヨーク線は実は欧州線に比べて需要の延びしろが少ない。ワシントン線ほどでないが、個人客、観光客が少ない。10年ほど前は米系がマイル付きで往復込み30000円でもオフシーズンは席が埋まらないくらいだった。

恐らくスカイマークは最初に路線案に出ていたロンドンやフランクフルトのスロットが取れなかったか、未だ交渉途上なのだろう。民主党政権時代の置き土産で、今は日本とEUの間はオープンスカイだから、ANAが欧州に乗り入れたころのような政府交渉の苦労はないはずだが。
それでも上手くいかなかったのだから、スカイマークの渉外担当は国際航空のど素人か、西久保社長の気まぐれに振り回されているのか。

従って日系どうしの潰しあいのニューヨーク線しかスカイマークの選択に残らなかったということか。それさえ望み薄だ。

日本航空がエアバスA380を導入 [航空]

4月1日、日本航空JALは、欧州航空大手エアバス社の総二階建て超大型機エアバスA380型機の導入を発表した。
新年度の鶴丸マークの復活と併せて、再建の象徴としたい模様だ。
大震災により国際線国内線の航空需要が減退する中で、思い切った判断をしたことについて、金融機関など関係筋に波紋が広がっている。関係者によれば、この重大な経営判断にはいくつかの要因があったようだ。

第一に関係者が挙げるのは、エアバスA380の導入を済ませたか、決定した競合他社との対抗だ。新興会社トップのスカイマークは大手二社に対抗して、ドル箱である欧米への長距離国際線への進出を決定し、専用機材としてエアバスA380を発注している。これによって、大手二社のビジネスクラスの優良顧客を奪う計画である。またJALと既にフランクフルト線で競合するドイツルフトハンザ航空や、パリ線のエールフランスもA380を東京行きの便に導入済みだ。航空評論家の杉浦一機氏はこう語る。
「ジャンボ機ボーイング747の導入では、世界の主要航空各社が導入して国際線のスタンダードとなりました。ようやく生産が軌道に乗ったといった段階で、まだ引き渡しが中途とはいえ、エアバス380も航空界のスタンダードとなりつつあります。」
第二にこの決定の要因として挙げられるのは、近年の航空自由化のためのコスト削減と国内主要空港の発着枠拡大による小型化への反動である。JAL再建のために行きすぎた小型化に対して、輸送力の柔軟性を妨げるものとして問題視されるようになったことが挙げられる。大震災の後、国内大手二社は東北地方への定期便の機材大型化や臨時便の運行を行ったが、機材運用を再建のために効率化して余裕がなくなり、需要に対して十分な輸送力を確保できなくなった点を、東北地方出身の有力民主党議員や国土交通省が問題視して、JALに圧力をかけた模様だ。
第三の要因はエアバス機生産の中心であるフランス政府の圧力があるようだ。外交に詳しい政府筋はこう語る。
「フランスのサルコジ大統領は、震災後に初めて来日した外国首脳です。フランスは電力の8割を原子力でまかなう原発大国であり、日本国内の原発の使用済み燃料の再処理を担うなど、廃棄物の問題でも世界で最もノウハウを持っています。大西洋の対岸のリビア情勢が緊迫する中で、震災と原発問題で全面的に日本政府に協力してくれています。その引き替えに何らかの取引がフランスと日本政府の間にあったのではないかと思われます。」

「鶴丸」塗装復活にやや違和感 [航空]

JALが鶴丸を復活させるとのこと。
今日、実機のデザインまで発表された。
http://mainichi.jp/select/wadai/graph/20110119jal/
どちらかというと直近の旧塗装に近いが、デザインとしてみれば今のJAS合併後の意味不明な塗装よりはましだろう。今の塗装は短距離のリース機材に適当に社名を入れたレベルの安っぽさがある。尾翼を塗り替えるだけだから、手軽な改装だ。重整備を待たずに全機体を塗り替えてしまうかもしれない。

けっきょくは単純に日本エアシステム統合前に戻るということで、先述の旧JAS機材の強引な引退と同じで、JAS色を徹底的に消したいようだ。まあその事の善悪は言うまい。個人的にはJASの消滅は残念だと思うが。
そもそも塗装については日本エアシステムも旧東亜国内航空も大してこだわりがあったわけではなく、エアバスA300を採用した際にメーカーの見本塗装をそのまま採用してしまったといういい加減さだ(デザインとしては優れているとは思うが)。メーカーの見本色や都営バスの塗装をそのまま採用する富山地方鉄道の路線バスあたりの安直さだ。だから、別にJAS出身者はそもそも塗装にこだわりのある人はいないだろう。

問題だと思う点はむしろ自社の歴史への認識のあいまいさにある。
旧塗装がなくなる時の説明がなかなか詳しい。
http://www.jal.co.jp/tsurumaru/
実はJALに1970年に747が導入されるまで、尾翼に鶴丸は描かれていなかったのである。全日空が1960年代からモヒカン塗装だった(実際はトライスター導入時から)と誤解している者が多いのと同様である。


1960年代にDC8が世界を看板機材として飛び回っていた時代は鶴丸は前のドア脇に描かれているだけだったのだ。1960年代までのJALは欧米、かつ第二次大戦の戦勝国以外で唯一、世界一周路線の一環としてアメリカ国内線と大西洋横断路線の運航権を得た唯一の航空会社であり、安全運航体制、サービスも含めれば文句なく世界一の評価を持つ会社だったといえるだろう。
(今でも欧米線のファーストクラスに関あ。しては、日本人より英米人の評価が高いようだが)

だがジャンボ導入以降は経験あるDC8のパイロットを次々とジャンボに機種変更させたために、DC8の運行体制が急速に劣化し、営業運行でニューデリー、ボンベイ、モスクワ、アンカレッジ、クアラルンプール、羽田と全損事故を続ける悲惨な時代が1970年代であった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E8%88%AA%E6%A9%9F%E4%BA%8B%E6%95%85
サンフランシスコ着水事故などは『沈まぬ太陽』で描かれたように、むしろ美談であり、9機中3機を訓練中に墜落させたCV880は機体の欠陥として、JALのイメージ低下につながらなかったが、もう言い逃れはできなくなった。海外の事故ばかりだったこともあり、国内では大して評価はさがらなかったが、世界的な安全評価は地に落ちた。当時は、国際線、国内幹線のみの運行のため、事故率は一気に世界の主要航空会社で最悪のクラスに移行する。(御巣鷹山ばかりがたたかれるが、これに関してはボーイングが修理の欠陥を全面的に認めて経済的な補償を肩代わりしており、非難の材料とはならない。)

尾翼の鶴丸というのは歴史的に見れば、1960年代の高いイメージとうって代わって、経営の失敗と事故の象徴であり、とても評価には値しないと私は考える。
だいたいマスコミや普通のサラリーマンの考える「バブル期」や「高度成長期」のイメージというのは、社会の実態からかなり遅れていることが多い。ジュリアナ東京をバブルの産物と考えるようなものである。だいたい1960年代にJALの飛行機を重用していた人は社会でも限られた層であったことは否めない。当時に海外に行くのは特別のことであった。そういう時代にJALの国際線で世界を飛び回っていたり、国内線の飛行機を常用していたひとはもう70歳以上で、大してJALの再建のために盛んに利用できる層でもない。だから、1960年代のことばかりを強調しても、JALの宣伝としては意味がないだろう。
まあ1970年代、もっとはっきり言えばバブル期以降の鶴丸のイメージを強調して宣伝した方が、クラスJや国際線ビジネスクラスの主たる顧客である40代50代のオジサンに訴える効果があるだろう。歴史に対する一種の偽りの宣伝である。
くりかえそう。
「高度成長期のサラリーマンは日本でも海外でもゴルフと社用接待」
という過去の認識は実はバブル期以降の事実に基づくものであったりする。素人は1997年の山一証券破綻をバブル崩壊の象徴と勘違いしていたりする。マスコミもそういうイメージの動画ばかりを流すから刷り込まれてしまうのである。

日本人はLCCに過大な期待をしている [航空]

茨城空港の春秋航空就航問題しかり、とにかく日本人(というよりFOXNEWS的に言えば主流メディアだが)はLCCに過大な期待をしすぎだと思う。巨大な発着容量を持つ空港を整備してLCCを集めればハブ空港になるかのようである。
だが世の中には低価格より大事なものもある。時間価値や機会費用だ。

確かにシンガポールや仁川、アムステルダムなどはLCCを集めて、勢力著しいものがある。が、大韓航空、アシアナやシンガポール航空、KLMオランダ航空が、世界きってのサービス(シンガポール航空はさることながら、韓国二社も欧米での評価は高い)を提供しているおかげで、ハブ空港となっているのであって、LCCの勢力伸張は発着能力の余裕を活用した副次的なものである。LCCばかりではハブ空港にはなれない。
ライアンエアの拠点のスペインのジローナ空港(バルセロナから100キロほど北東)やローマのチャンピーノ空港はバルセロナ空港やローマのフィウミチーノ空港の敵ではないし、ハブ空港とは呼ばれない。航空当局にとっては、大手のエコノミー運賃を下げるためのかませ犬としての役割を期待されているにすぎない。

LCCが短距離で大手に完全にとって変われない要因はいくつかある。
前提として長距離路線の事例を触れる
前にもふれたことがあるが、長距離では大手は単価の高いビジネスクラスや貨物輸送の利益をエコノミーの運賃に引き下げに回せるので、LCCよりかえって有利である。また長距離路線に必須な大型機は高価であり、操縦士の養成費用も高く、737やA320クラスのように安い人件費で雇用することもできない。

短距離路線で第一に、LCCが大手にとって変われない理由は、定時性や異常時(降雪などの異常気象など)の地上対応を大手より優先していないので(ライアンエアに比べれば、イージージェットやジェットブルーのクラスは信頼に値するが)、時間価値の高いビジネス需要を取り込むことができないことにある。
第二は搭乗率に対する考え方の差である。大手はビジネス路線では需要に比して多い輸送力や便数を確保して、飛び乗りの需要に対応しようとする。日本の国内線で大手二社はだいたい羽田路線で60%から70%の搭乗率を適正とみている。これを超えると、いざという時に満席でとりこぼす需要が出てくる。それに対してLCCは搭乗率が100%に近付くことを理想としている。これでは飛び乗りのビジネスマンは安心して乗れない。
アメリカの国内線の場合はやや状況が異なる。大手はハブ空港のシステムを完成しているので、ある路線が混んでいても、やや遠回りなルートをとることで解決する。たとえばデルタ航空でニューヨークからロサンゼルスへの直行便が一杯でも、アトランタやデトロイト、ソルトレイクシティー経由なら大丈夫である。だから搭乗率が80%以上でも問題ない)
昔の国鉄は主要な特急の乗車率が100%に近付くことを理想としたが、それは他交通機関との対抗や乗客の利便性を考慮しない親方日の丸の発想である。いまとるべきではない。

とはいえ、実際には欧州ではLCCの勢力が路線単位で拡大しているのは事実である。ビジネス以外のオフでは欧米人のケチぶり(収入の多寡はあまり問題ない)は日本人からすると大変なものなので、安い便しか利用しようとはしない。
大手航空会社が50人クラスの機材で飛ばす路線をLCCが同等の便数で737クラスを飛ばしていることも、首都クラス未満の都市行きではよくあることである。大手に乗る人は決して人数比で多くはない。それが日本と違うところだ。スカイマークが輸送量で大手に勝っている路線はない(JAL撤退後の神戸~那覇などは微妙だが、スカイマークの機材が小さい)。
イギリスの地方都市発と大陸の地方都市、地中海のリゾート地を結ぶ路線はLCCの独占だったりする。が、そういう路線は毎日運行ではないので、輸送力はたいしたことがない。

だが欧米と日本の休暇のスタイルは違う。欧米では休暇を従業員が指定できない(だからお盆休みや正月休みのような帰省ラッシュは生じない)代わりに、休暇が数週間と長い。だからイギリス人がせっかくの地中海のバカンス地行きのLCCの飛行機が一日くらい遅れても気にしないが、日本人の短い休みでは死活問題である。帰省シーズンが大雪や台風にかぶるとマスコミのニュースも悲惨な感じで報道する。正月の帰省で大手がまともに飛んでいる時に、スカイマークだけ遅れて帰省できなかった家族は親戚の笑い物だろう。
この点、中国は休みの長さや交代制などが欧米の社会に近い。人民公社の運営など、ソ連や東欧諸国というモデルを介して欧州の社会システムに直接に影響された度合いが日本の比ではないからだ。
フィリピンやマレーシアも欧米の影響は日本の比ではないからLCCが普及する。
所得格差も大きいし、金への執着心は並みではない。だから春秋航空など、日本よりLCCが受容されやすい土壌がある(TVなどの報道を見る限り、あまり春秋航空は欧州のLCCを直接モデルにして経営しているわけではないようだ。合理的な経営を貫いた末の欧州との一致だろう)。

日本人の生活サイクルが変わらない限り、LCCの普及には限界があると思う。


縮小均衡のJAL再生計画に疑問 [航空]

JALの再生計画でB747-400が国内線・国際線共に引退することはよく知られている。
だが、旧JASのA300-600Rまで引退することは知られていないと思う。

利用者の立場からすれば、国内線用のB767を全て温存してA300を全て引退させるのは信じがたい。
第一の問題点として機材による輸送力のギャップが拡大する点が挙げられる。
だいたいB767-300とB777-200の間の輸送力の差は相当に大きく、従来はA300で高需要ローカル(年間200万人レベルの旅客のある羽田発着の非幹線)の輸送力を調整してきたのである。前者の定員はクラスJ増席で250人程度にすぎなくなったのに対し、777はファーストクラスも付けて400人近い。
しかも少数残る旧JASのレインボーセブン7J2を除くと、JALの国内線用777はファーストクラス付きの特殊な機材のために幹線(東京大阪福岡・新千歳・沖縄那覇のみを結ぶ路線)以外に運用できず(高需要ローカルに投入される時は、ファーストクラス席はクラスJに開放される)、使い勝手が悪い。まあその路線に乗ったクラスJの中の一部旅客はファースト席に乗れて満足ではあろうが、幹線で8000円払って乗っている客の立場からはうれしくないので、極力そういうローカル運用は避けているようである。
だから、767の次がいきなり500人近い定員の777-300になってしまうのである。
最近では羽田~伊丹が全便ファーストクラス付きの777-200だったのを止めて、ファーストクラスを千歳線や福岡線に回しているが、その代替に伊丹線でA300が活躍している。幹線でもA300は使い勝手がいいのだろう。
(旧JAS時代には、幹線は原則777-200だったので、羽田伊丹線ではあまり見なかった)

第二の問題点は、767-300では搭乗時にドアが一つしか使用できない点である。A300は二つ使用できるドア配置になっており、777や747と同レベルの利便性を提供している。ワイドボディー機とは言っても搭乗するドアが一つだけの767は必ず搭乗中にブリッジ内で旅客が詰まる。その間、中途半端な場所で待つ不快さは結構大きいものがあるし、搭乗時間もかかって定時運行に悪影響をもたらす。定員が150人も多い777の方が明らかに搭乗時間は5分ほどの単位で違う。(767の便がうんとガラガラなら話は別だが)

第三の問題点は、767の方が古い機体が多い点である。JALの国内線用767-300は二段階に導入されており、初期に導入した機体は1980年代後半に導入した機体であり、エンジンも後期型とは異なる(747クラシックと共通のプラット&ホイットニーからGEに乗り換えた)。普通席の座席も更新されておらず、国内線普通席の座席の交換を(資源の無駄としか思えないほど)繰り返すANAに比べて旧態依然ぶりは明らかである。モケットの張り替えなどはしているのだが、初期の767の機内に関して素人には古さしか見えない。これに対してA300-600Rは一番古くても1991年導入で、JJ統合後にA300B2/B4の代替のために無理にエアバスに2003年ころに生産させた機材も混じっている。

第四の問題点はA300やMD90が中古市場で売り物にならない点である。これが5年ほど前から市況が変化した点である。A300については貨物機としての用途はあるが、大して高くは売れないだろう。
高く売れないものは使い倒すしかないのが、航空界(普通の中古の乗用車でも)常識である。KLMだって売り物にならないMD11の売却は止めて、最新型の777並に機内設備を改修することとした。JALのDC10-40を長持ちさせた過去の経営判断はそう誤っていなかっただろう。
極端な例を挙げれば1990年代のノースウェストの国内線機材運用である。リパブリック航空などからの引き継ぎ機材ながら事故のあったMD87以下のMD80系列は早々に売却してしまい、世界中からタダ同然で1960年代製のDC9を300機も買い集めた例である。これらの機体は50年使用を念頭に置いて、A320並にオーバーヘッドストレージなどを大型化するなどの改修工事をやったので、利用客には古さはばれなかったし、最新機材に比べたデメリットもなかった。

第五の問題点はA300引退の直接の代替機材がないことである。737-800などで小型化して置き換えるしかない。輸送力の縮小で旅客単価の向上を図るのは金融家的発想である。
だいいち、修学旅行とか大口の輸送は逃してしまうし、団体客の需要そのものが小型化で消滅してしまう。JALの富山空港撤退と小松線機材縮小で、首都圏からの北陸方面の航空機利用の団体ツアーは殆どなくなり、バスか新幹線(上田で観光バスに乗り継ぎ)利用となった。
そもそも日本人は小さい飛行機は嫌い(飛行機に慣れない人ほど、小さな飛行機は危ないと思っている)だし、ナローボディー機ではビジネス客まで離れてしまう。現状でもANAが767を無理に飛ばしている大阪、名古屋発の便は多く、JALと差を付けている。

確実なJAL再生計画は結構だが、航空事情に無知な金融機関向けのパフォーマンスは止めるべきだ。まあ金融機関の担当者だって航空界の知識がないのに、目に見える再建策を提示させないことには自分の首が危ないだろう。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(3) 
共通テーマ:旅行

リビアのA330が墜落事故 [航空]

リビアの首都トリポリの国際空港で12日午前6時(日本時間同午後1時)ごろ、同国のアフリキーヤ航空エアバスA330型旅客機が着陸に失敗し、墜落した。
同機は南アフリカ・ヨハネスブルク発で、ロイター通信によると、乗客乗員104人のうち、103人が死亡、オランダ人の子供1人が救出された。同機にはリビア人のほか、オランダ人少なくとも60人が乗っていたとみられる。乗客に邦人が含まれていたかどうかは不明。 当時、空港周辺の天候は良好だったという。原因は調査中だが、リビアのジダン運輸相は同日、テロの可能性を否定した。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100512-OYT1T00827.htm

一部の日本のマニアが思っているほど、エアバスの大型機はボーイングより危険だとは思わない。
ボーイングだって、初期のジェット機の707は生産機の1割を超える100機以上を墜落事故で失っているのだ。

確かにA330も何件か事故を起こしているし、A310の事故は多い。
だがボーイングとの最大の差は、運航体制のヤバイ途上国、反米国家に機体を売却しているかという点だと思う。
A310はビジネスとして失敗した機体だ。最大のユーザーが意外にもシンガポール航空だったということから、如何に有名航空会社に採用が少なかったが分かろう。シンガポール航空では長距離用747のアクセスアジア線専用機材で、影は薄かった。
だから販売実績を上げるために、相当ヤバイ会社にも売却されている。
だがボーイングの777を買ったのは欧米か、アジアの結構有名な会社ばかりだ。それ以外の新興国、途上国、いわんや反米国家の航空会社には売ってくれないのである。
その結果777は死亡事故を未だに起こしていない。BA英国航空が北京で胴体着陸の事故を起こしているが、乗客乗員全員が避難して、犠牲者はいない。
これに対し、767はエジプト航空とケニア航空で大きな事故を起こしているが、事故を未然に防ぐための運航体制の問題だろう。ちゃんとした国の航空会社は事故を起こしていない。

まあA330に関して、先進国の有名航空会社が777のように死亡事故を起こしていないわけではない。エールフランスの事故は深刻だが、深海に墜落してボイスレコーダーも見つからないので、原因が分からない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9447%E4%BE%BF%E5%A2%9C%E8%90%BD%E4%BA%8B%E6%95%85
A330、340シリーズに関しては、インシデントが多いから、直ぐに危険だとは、まだ言えない段階だと思う。
次の(途上国の会社ではない)事故が起きてしまってから、改めて判断すべきかと思う。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

JALの株主優待券は無駄にならない [航空]

JALの株価は一昨日の12日に37円、きのうに7円となって、一応落ち着いたようだ。
ニュースでは既存の株の減資の行方と共に、株主優待券が無効となる可能性について報道している。
金券ショップの相場が3000円程度に暴落したと、騒いでいる報道まであった。

だが、別に暴落はしていない。年末にも新宿相場(新橋よりやや安い)は2500円~3000円だった。
数年前に大増資して、株主優待券の流通枚数が6割り増しかになった時から、閑散期の相場は変わっていない。夏休みなどの繁忙期や品薄の時期に10000円くらいになるのも、定着した傾向である。
金券ショップを常に巡回して相場をチェックしない情報弱者か不精者がマスコミにはびこっていることを暴露しただけだった。だいたい優待券価格をチェックして新聞に定期的に相場を載せているのは、日本経済新聞だけである。
(15日追記)萩原博子がさきほどの日本テレビのワイドショーで
「私は2000円くらいで買った」
と言っていた。場所は不明である。ただ1000円程度のたたき売りはないようだ。むしろ株主優待券に関わる報道で一般人にも需要が生じて、けっこう金券ショップで商品が回転しているのかもしれない。

安さで言えば、むしろ毎年5月末の期限切れの時期が「祭り」である。昨年の5月には実に1枚800円にまで下落した。これは金券屋の販売価格だから、買い取り価格やオークション価格は更に下がる。
さすがに一部のヘビーユーザーは(私も含めて)おいしい事態に気がついたようだ。夏休みの繁忙期に普通運賃の半額で乗れる変更自在のオープン券が手に入るのである。新幹線との競合路線以外はほとんど割引のない極悪商法の時期には最高のきっぷである。
彼ら(自分もか)は期限切れ寸前の優待券をかいあさり、最終日の5月31日に羽田のJGCカウンター、さらに上位のファーストクラスカウンターで8月末までに必要な枚数を買っていた。私は家族の分など、乗る可能性のある区間を購入した。隣の人は厚さ10センチほどの優待券の束を自分のために買っていた

金券ショップ相場が下がらないのはどうしてだろう?既に発行された優待券が無効になることはないと、金券ショップの関係者が踏んでいるからである。
報道では
「年度内は大丈夫」
と言っている。が、常識的には券面に書かれた5月末までは使えるようにするのが、客商売として当然である。
JALとANAは激しい競合関係にある。せっかく飛行機の運航を続けられても、優待券が使えなければ、どうなるだろう。変更可能でそこそこ安い航空券を求めるビジネス客、ヘビーユーザーを逃すだけである。それは賢明ではない。
だいたい優待券は優れた販売促進手段である。普通運賃やビジネスきっぷなどよりは安いが、ツアー運賃やバーゲン型運賃よりは、ずっと高い。マクロに旅客単価を上げる道具であって、下げる効果はない。優待券なしで当日飛び込みで普通運賃を使うのは、情報弱者か散財家だけである。そういう飛び込みの状況だと、普通の人は、対抗交通手段のJRなどに逃げるものだ。旅慣れた人ほど、決して無駄遣いはしないものだ。
最悪の可能性としてはJALとANAが談合して、どちらも発行済みの株主優待券の扱いを年度末で止めるという可能性である。1月5日に両社が一致して普通席への新聞サービスを止めたケースと同じ道だ。
だが、ANAがいまつぶれそうというわけではないし、急に扱いを止めて顧客とトラブルを起こすとは思えない。本音ではJALとの競合関係のためにANAは株主優待券を発行しているのだが、建前は同業他社との対抗関係とは関係ない株主の優遇である。つぶれそうでない会社が急に契約(というほど厳密なものではないが)を反故にする必然性はない。ANAの上級会員カウンターが阿鼻叫喚の騒ぎとなる様が予想できる。

心配すべきは、このまま上場廃止になった時に、99%などの減資をされると優待券をもらえなくなるか、全く株券が無効になってしまう状況である(株式会社でも100%減資で再建することは、よくある)。こちらは分からない。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

どうして日本にLCCが普及しないか? [航空]

LCCはLow Cost Careerの略で、日本語では格安航空と略されることが多い。
欧州ではイージージェットやライアンエア、エアベルリンなど、
アメリカにはサウスウェストなどが有名である。
東南アジアでもエアアジアなどが勢力を持っている。

よく「300円で飛行機に乗れる」
などと書かれるものである。
インターネット販売、地上コストの削減、サービスの合理化(飲み物の有料化)、機材統一などで既存の大手航空会社に比べてコスト削減を実現する。最近は実績を積んで、イージージェットなどはロンドンのガトウィック空港、パリのシャルルドゴール空港など主要空港の発着権を得ているが、多くは大都市の近くながら従来はあまり利用されていなかったマイナーな飛行場(ロンドンのルートン空港、スタンテッド空港、ローマのチャンピーノ空港など)を利用することで、既存の航空会社のダイヤに邪魔されない自由な運航を実現する。

日本ではどうして普及しないのであろうか?スカイマークが登場した時
「日本にもLCC登場」
といってもてはやされたが、海外のような激安感はない。10000円を下回る運賃は滅多に出ないし、それくらいの運賃なら大手二社の超割、バーゲンフェアやツアー運賃などでも見るものである。
1998年の羽田の新C滑走路運用開始以来、多くの新規航空会社が出ても、航空運賃を著しく安くできないのは以下の理由がある。
東京一極集中の地理的要因は致し方ないので、省く。

・着陸料など公租公課が高くて、利用者からの空港利用料の徴収が中心的でない航空政策。
着陸料でなくて空港税がメインだったら、新規参入会社がFDAのように搭乗率で苦戦しても、直ちに着陸料という固定経費が経営を圧迫することはない。旅客が増えれば航空会社は儲かるが、少なくても直ちに困らない。だから経営的に安全策を取ると、片道1000円くらいの激安運賃で新規路線を宣伝することができない。
・首都圏など儲かる地域で、潜在的にLCCが使える空港が開放されないから。
木更津航空基地、下総基地、厚木、横田、宇都宮など民間開放できる軍用施設は多いが、活用されない。日本の航空管制は空港ごとに管制領域を限定するので、複数の空港が共通して首都圏の上空を利用できない杓子定規な航空行政が問題である。
・行政指導ありきの政策
役所の不文律な機嫌を取らないと、何も出来ない。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

日本エアシステム回顧 [航空]

JMS(ジャスマイレッジサービス)って、今から考えると驚異的なプログラムだったと思う。当時のヲタはNWのワールドパークスに貯めていた人が多かったようなので、意外と知られなかったけど、かなりマイルが貯まりやすかった。使い勝手もよかった。

・スーパーシート搭乗で均一300マイル、レインボーシート(今のクラスJの前身みたいなもの)で何と200マイル加算だった。
・幹線ボーナスマイル20%なんてものもあった。
(高需要ローカルに次いで、末期には怒涛の勢いで幹線を増便していたので、実は使い勝手は旧JALと同レベルだった。東京-伊丹線でも10往復もあった)
・したがって東京ー小松でも、キャンペーンがあったりすると、一搭乗あたり1000マイル以上貯まったりした。ステップアップとかのときは更に貯まった。
・提携のNWが格安航空券でも70%加算、正規割引でも100%加算だった。KLに至っては格安100%加算と、日系航空会社とは思えない加算率だった。
・短距離国内線の特典航空券が均一10000マイルで取れた。
中国路線のビジネスクラスの特典航空券が取り放題だった。(というか旅客がほとんど皆無だった)
・詳細が不詳だが、JASカードのゴールドカード(ニコス提携)の旅行保険、マイル加算率が常軌を逸していたらしい。保障はプラチナカード並、100円2マイルだったとか。

全体に営業政策が、中程度の旅行好きに向けられていた。ステップアップマイルとかバースデー割引とかといった類である。

JGC・SFCを目指す修行僧というのは皆無に近かったため、長距離路線のウルトラ割引(超割、バーゲンフェアに相当)も予約が入りやすかった。値段は確か路線により7000~10000円くらいで、最低額は当時のJAL並で、最高額はANAの当時の10000円均一に合わせてあった。期間限定でなく、月曜・火曜の全ての日にウルトラ割引が設定されていた。
だが普通の運賃はあまり戦略的に組まれておらず、地方路線ではJALの特割の方が安いことが多かった。
末期に怒涛の勢いで増便された伊丹線には力が入っており、殆どレインボーセブンだったし、朝一は何と9000円だった。

沖縄線のSSは搭乗率も低く、人の目を逃れたい芸能人などには人気があったらしい。あるとき貸切に近い状態(残りの乗客は爆睡)で搭乗したことがあるが、その時のサービスの良さといったら、JALなら国際線のファーストクラス級だった。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

ANAのスーパーシートとラウンジsignet(2008年2月現在) [航空]

ラウンジの客層が若い
勘違い君も多い。
中央ラウンジは、奥行きも幅もあり、席の配置もけっこうゆとりがあって、アムステルダムのKLMのシェンゲンエリアのラウンジに近い印象を持つ。羽田の国内線ラウンジのハードは(DPラウンジを含めても)JALに勝っている。飲み物は五十歩百歩といった所。
新聞雑誌の配置数は少なく、入り口近くの棚に適当に並べてある感じで、喫茶店かラーメン屋の常置新聞を彷彿とさせて、印象はよくない。 あまり意識的に整理をしていない感じで、それが利用客のモラル低下に拍車をかけている。

772の座席は、先述のスカイマークのシグナスクラスに劣る。以前のように2-2-2配置の2列から2-3-2配置の2列に改修された際は、狭いという印象ばかりがめだっていたが、3列にSSが拡張されたので混雑も解消され、まあまあの空間にはなった。とはいえ、現状で1000円プラスで乗れる旧JASのレインボーセブンの旧SS席とは、比べるも愚かである(広々感でいえば、旧JALの777の2-2-2のスーパーシートも良かった)。
空間のゆとりでいえば、失われたA300ー600RのSSの方がゆとりがあった。実は同型機の国際線仕様のビジネスクラスの席のシートピッチを詰めたものだった。

食事はなかなか。

http://www.tsubajin.co.jp/
「つば甚」(と銘打った)弁当だったが、小松線だから積まれているのか、ある程度他の路線にも積まれているのかは、分からない。
とはいえ、本当に当該料亭で作ったものなら、治部煮はもっと美味いはずだが、国際線のファーストクラスでもないので、コストの制約で鴨や猪の肉を入れるわけにはいかないのだろう。万人向けに味を薄くしすぎだと思った。大正期以降の関西料亭の東京大侵略によって、東京で失われた江戸の大名料理伝統を継ぐ、加賀料理は量も多いし、味も濃いのである。
東京のデパートの有名料亭名のお節料理には、中身の具に比して馬鹿高い値付けのものがある。それが普通の値付けのものと違う理由は、料亭本体で調理しているか、料亭の献立を普通の弁当屋で作っているかという差だという。駅弁で1000円以上の高価格の幕の内弁当の味の話と同じである。

全体に空いていればコストパフォーマンスは悪くない
ただJAS時代のSSはもっと良かった。飲み物が依然として紙コップのサービスなのは印象が良くない。JALではクラスJですら専用の紙コップで差別化されているのに、それもない。非幹線メインでガラガラだったJASのSSが3200円でも陶器でサービスしていたのを思い出す。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行
メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。